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2021.06.21

インハウスロイヤー経験を活かし、グローバル・インフラプロジェクトを支える弁護士へ

三菱重工で約4年半インハウスロイヤーとして活躍し、プライベート・プラクティスの道へと進んだ飯島進弁護士

現在は、東京国際法律事務所(以下、TKI)にて、EPC(Engineering, Procurement, Construction)等のグローバル・インフラプロジェクトを支える弁護士を目指し、国際的なM&Aや訴訟・紛争案件を中心に手掛けます。

安心感のある穏やかで落ち着いた雰囲気をまとう飯島弁護士ですが、その裏には経験に裏打ちされた熱い思いがありました。

TKI参画のきっかけは、インハウスロイヤー時代に感じた課題

弁護士のファーストキャリアとして、インハウスロイヤーを選択された理由についてお聞かせいただけますか。

当時、コンプライアンス違反が一因となって廃業や倒産に至る企業が増加していることが問題視されていました。

そうした状況に対し、弁護士としてどのようなサポートができるか考えたときに最適だと思ったのが、インハウスロイヤーという選択でした。コンプライアンス問題を解決する等、組織内部から環境や状況を変えていくことで企業の永続的活動に貢献し、多くの従業員を支えられるような仕事をしていきたいという思いが根本にありました。

約4年半、三菱重工でインハウスロイヤーとしてご活躍された後は、プライベート・プラクティスへ移られました。この背景にはどのようなお考えがあったのでしょうか。

三菱重工では、東京本社と長崎造船所でほぼ半分の期間ずつ過ごしました。そのなかで、海外のインフラプロジェクトのエグゼキューションや同プロジェクトに関連して発生する紛争に対応できる日本人弁護士が限られていると感じるようになりました。

外部弁護士としてそうしたプロジェクトや紛争をサポートできないか考えていたときに出会ったのが、当時日比谷中田法律事務所のパートナーだった森幹晴弁護士と山田広毅弁護士でした。海外へ進出する日本企業をリーガル面から支援するという精神を持ち、実際に仕事を進められている姿に共感して、日比谷中田法律事務所への入所を決めました。

インハウスロイヤーからプライベート・プラクティスへ移るキャリアは珍しいと思います。当時、不安はありませんでしたか?

もちろんありました。ただ、私としては、自分の将来像を考えたときに、弁護士としての専門性を高め、さまざまな企業の海外進出を直接的に支援したいという気持ちが強くなっていました。企業の海外進出においてはさまざまな問題が山積していますし、体制が整っていない企業も多いと思います。インハウスロイヤーとしてのキャリアを積んでいくことも魅力的でしたが、よりチャレンジングで自分がおもしろいと思える道を選んだのです。

TKIには2019年の設立当初から参画されていますね。

TKIは、弁護士を目指したきっかけ、そしてプライベート・プラクティスへ移った思いと直接的に関連している事務所だと感じました。代表の森弁護士・山田弁護士は、日本発のグローバルファームをつくり発展させていこうという意識が強く、自分自身もそうした環境に身を置いて成長していきたいと考えたため、設立のタイミングで参画することを決めました。

「総合力」でより踏み込んだソリューションを提供する

飯島弁護士の強みは、外部弁護士としての経験とインハウスロイヤーとしての経験の両方をお持ちであることだと思います。



個々の場面において、クライアントからの質問の意図や背景、依頼の目的等を理解するうえで、インハウスロイヤーの経験は非常に役に立っていると感じています。

社内の力学や他部門との折衝、意思決定の過程はもちろん、クライアントから外部弁護士はどのように見えているかということまで考えながら仕事を進めています。

また、インハウスロイヤー時代には、工場での事故対応から海外インフラプロジェクト支援まで、普通の弁護士であればやらないような業務も含め、さまざまな案件を担当していました。特に、インフラプロジェクトにおいて、プロジェクトメンバーと協働して案件を遂行した経験は大きかったです。プロジェクト部門に近い立場での業務経験は、「単なる法的アドバイスだけでなく、より踏み込んだソリューションを提供する」という当事務所が掲げているミッションを達成するにあたっても、役立つものでした。

最近ではインフラプロジェクトの知識や経験が直接的に活かせる案件も増えてきています。実際の商慣習や海外の電力会社の考え方等を踏まえてアドバイスできるよう努めています。

飯島弁護士が仕事をするうえで大切にされていることは何ですか。

クライアントに安心していただき、相談してよかったと思ってもらえるような弁護士でありたいです。そのためにどうすべきかは今でも日々悩んでいるところですが、これまでの知識や経験だけでなく、人格、思い、ビジネスやニーズの理解等、弁護士としての「総合力」はやはり欠かせません。そうした力を身に付けて、これからもお客様に寄り添った仕事をしていきたいと考えています。

今年秋からは米国のロースクールへの留学を予定されていますね。

はい。修了後は、米国の提携法律事務所での研修を予定しています。留学・研修の期間は、現在自分が抱えている問題意識を深堀りするほか、外国弁護士の考え方から人となり、文化まで含めて学び、国際的な案件を手掛けるうえでの理解をより深めていければと思っています。新しい専門分野も積極的に検討していきたいですね。

日本の外部弁護士が扱えていない問題をサポート

海外留学・研修後の飯島弁護士のビジョンを伺えますか。



中期的には、グローバルに展開するインフラプロジェクトを多くサポートできるようになっていたいです。

さらに長期的な視点で考えると、インフラプロジェクトの支援に加え、日本における国際仲裁の振興にも貢献したいという気持ちがあります。

現在、JCAA(日本商事仲裁協会)には年間数件程度しか国際仲裁案件がありませんが、これは、日本企業だけではなく、日本でビジネスを行う外国企業にとっても好ましくない状況です。こうした状況を改善するため、たとえば、仲裁人や仲裁代理人としてJCAA仲裁に関わることで、日本における仲裁のプレゼンス向上、ひいては世界における仲裁地としての日本のプレゼンス向上に寄与していければと考えています。

「グローバル・インフラプロジェクト」は、今後も飯島弁護士のキーワードの1つになっていきそうですね。

日本がこの先も発展し続けていくために、グローバル・インフラプロジェクトの重要性はますます大きくなっていくでしょう。一方で、グローバル・インフラプロジェクトは必ずと言っていいほど問題が生じる非常に難しい領域です。現在、日本の外部弁護士ではほとんど扱えていないような問題を、我々のような理解ある日本の弁護士が関わることで少しでもサポートしていきたいです。

古巣の三菱重工では、法律やインフラに関することはもちろん、社会人としての心構え等も含めてあらゆる面から指導していただきました。こうした知見や経験を、グローバル・インフラプロジェクトを支える弁護士として社会に還元していきたいと思っています。

そうした飯島弁護士のビジョン達成に向けて、TKIだからこそできることはありますか。

TKIは、所属弁護士個人の考えや自己実現を応援してくれる事務所です。私が興味を持っているグローバル・インフラプロジェクトに関しても、事務所として現在さまざまな取り組みを行っています。

また、最近では所属弁護士の国籍多様化等、ダイバーシティの推進にも積極的で、個人の価値観や興味の多様性を大切にし、それをポジティブに働かせようという雰囲気が根ざしていると感じています。自分自身もこうした環境を活かしてさまざまな価値観や考え方を取り入れながら、弁護士としてさらに成長していきたいですね。

(文:周藤 瞳美、取材・編集:周藤 瞳美・松本慎一郎、写真:弘田 充)