INTERN VOICE

2025.11.28

TKIウィンタークラーク・プログラム体験記
〜多様性と挑戦の中で見えた、未来の自分〜

はじめに

2025年冬、計15名の学生の皆様にご参加いただいたTKIウィンタークラーク・プログラム(以下「本プログ
ラム」。2025年2月~3月開催)。多様な内容で構成された濃密な5日間を体験された皆様の声を、いくつかご紹介いたします。

TKIウィンタークラーク・プログラムに応募した理由

  • 将来、クロスボーダー案件を中心に活躍したいと考えており、TKIの「日本発のグローバルトップファームをつくる」という理念に共感し、そのような場で実務力を磨きたいと考えたため、応募を決めました。
  • M&Aや英文契約などの実務演習を通じて、法律の知識を実務に活かし、国際的な視点で課題解決力を高めたいと考えています。グローバルな視点で社会に貢献する弁護士として、企業の課題解決に取り組むことにも魅力を感じており、貴重な機会だと考えました。
  • 国際的な環境で即戦力として活躍したいから、興味を持ちました。英語を使用したプログラムに参加することで実践的なスキルを身につけたいと思いました。
  • 外国人弁護士を含む、多様なキャリアの弁護士と交流し、自身のキャリア形成に対する視野を広げるとともに、国際的な紛争やM&A案件への関心を深めたいため、本プログラムに魅力を感じました。

TKIウィンタークラーク・プログラムを通して印象に残ったプログラムはありますか?

Immersion Program

参加者の多くが「最も印象に残った」と語ったのは、Immersion Programでした。Immersion Programは、TKIの新人弁護士が研修の一環として取り組むプログラムであり、その一部を本プログラムにて体験していただきました。

課題の素材は実際の案件をベースとしており、クロスボーダーM&A案件における英文SPA(株式譲渡契約書)、国際商取引における英文契約書、海外インフラプロジェクトにおけるEPC契約、再エネプロジェクトにおけるプロジェクト関連契約等を題材に、契約条文の構造や当事者の交渉意図を読み解き、クライアントに降りかかる潜在的紛争・リスクを予防し、トラブルの解決に導くための課題に挑戦いただきました。

  • 英文契約書に初めて触れたので、慣れない法的表現に戸惑いつつも、文言のわずかな違いがリスク配分やクライアントの立場に大きな影響を及ぼすことに気づきました。ひとつの契約書から、ここまで多くの示唆を得られることに驚き、法律家の目のつけどころと分析力の重要性を痛感しました。
  • 与えられた課題に対するフィードバックでは、単なる法的知識だけでなく、「伝え方」や「実務で求められる視点」に対する指摘を多くいただき、自分の思考の甘さや視座の低さを実感ました。厳しくも的確な講評は、学びとして深く心に残っています。
  • Immersion Program を通じて、PPA契約、EPC契約、O&M契約など、異なる契約書をレビューする中で、複数の当事者が関わることにより、契約内容が一貫性を欠くことがあるため、全体の調整や整合性を保つことが非常に難しいと感じました。また、クロスボーダー案件ならではの法的な違いも大きな挑戦でした。異なる法制度を持つ国との契約をレビューする際には、言語や法律の違いを理解する必要があり、それが契約内容に影響を与える場面が多く、非常に勉強になりました。
  • クロスボーダー案件ならではの難しさとして、契約に規定がない部分を考える際に、準拠する私法の原則ではどのように規定されているかがわからないという点を強く感じました。そして、この点を理解するため、外国資格をお持ちの先生に質問するべきなのですが、この際にも的確に質問するための英語力が必須であり、早く英語を話せるようになりたいと感じました。

Exchange Program

Exchange Programでは、英語によるコミュニケーションの難しさと楽しさを実感していただきました。

参加者の皆様には、外国法弁護士や日本法弁護士と英語で自由に意見を交わす機会を通じて、語学力を実務に活かす体験をしていただきました。「英語で交渉できるレベルを目指したい」「話したいことをうまく伝えられないもどかしさを乗り越えたい」と感じられた参加者も多く、語学は単なるツールではなく、国際的な法務の現場で“信頼”と“戦略”を築くための武器であることを実感していただく機会となりました。

  • 外国法弁護士との英語での意見交換を通じて、実務における英語コミュニケーションの重要性を実感し、英語を話すことへの抵抗が減ったことで、国際的な環境で働くことへの意識が一層高まりました。加えて、これまで苦手意識を抱いていた英会話に実際に取り組んだことで、語学力をさらに伸ばしたいというモチベーションが芽生えました。
  • 外国法弁護士のキャリア選択に触れることで、多様な働き方に対する視野が広がり、英語を通じて法律家同士の価値観の違いを実感することで異文化理解が深まりました。さらに、キャリア形成や日米の法律業務の違いについての実践的な会話を通じて、国際法務におけるリアルな働き方に触れることができました。
  • 英語で自分の意見をうまく伝えられなかった悔しさを通じて、自分に足りない部分や今後の努力の方向性を明確にすることができました。特に、瞬時に日本語から英語に切り替えられない課題を実感し、語学面での訓練の必要性を痛感しました。そうした経験を通じて、単に話せるだけでなく、交渉できるレベルの英語力を身につけたいという、具体的な成長目標を持つようになりました。

TKIウィンタークラーク・プログラムで、実際の案件をベースとした課題にチャレンジして感じたことを教えてください。

  • 実務とアカデミックな学びのギャップとして、契約書の中から法的リスクを見抜いたり、依頼者に分かりやすく要点を伝える難しさに直面しました。与えられた情報をどこまで抽象化し、どのように論理を構築して伝えるか、単なる知識ではなく、「伝える力」が求められることを痛感しました。フィードバックを通じて、「このままでは実務では通用しない」という気づきもあり、成長課題が見つかった気がします。
  • 契約文言のわずかな違いが、将来的な紛争やクライアントのリスクに直結する——そんな事実を目の当たりにし、契約実務の奥深さに気づかされました。単なる条文の解釈にとどまらず、当事者の意図や交渉力の差まで読み取る力が求められ、自分の視野が広がりました。「どこまで踏み込むか」「そもそも結論が出る問いなのか」と悩みながら、いろいろと模索をするとても興味深い経験となりました。

TKIウィンタークラーク・プログラムを通して気づいた、TKIらしさ、ほかとの違いは何だと思いますか?

  • 座談会やコーヒーブレイクなどのカジュアルな交流の中で、互いを尊重し合う文化を感じました。相手を尊重しながらもざっくばらんに話せる雰囲気やフラットで自然な対話のスタイルに、「開かれた事務所」という印象を持ちました。
  • TKIの中で働く先生たちは異なるキャリアや価値観を持ちながら、それぞれの個性を大切にしている点に魅力を感じました。文化やバックグラウンドの違いを前提にしつつも、共通の方向性やビジョンを持って連携している姿に、ダイバーシティとチームの強さの両立を感じました。

TKIウィンタークラーク・プログラムを通して気づいた、TKIらしさ、ほかとの違いは何だと思いますか?

  • TKIを訪れてまず印象的だったのは、オープンで壁のないコミュニケーション環境でした。パーテーションのないオフィスでは、弁護士同士が自然に会話を交わしており、若手とパートナーとの距離が近く、誰もが意見を発信しやすい雰囲気がありました。学生に対してもフラットに接してくださる姿勢から、上下関係にとらわれず「自由闊達な議論を尊ぶカルチャー」が根付いていることを実感しました。
  • TKIの魅力は、多様なキャリア・価値観を持つ弁護士が、それぞれの個性を活かしながら協働している点です。出身業界や専門分野も異なる先生方が、お互いの考え方を尊重し合いながら働く様子に、多様性と調和が共存する文化を感じました。同時に、全員が「日本発のグローバルファームをつくる」という共通のビジョンを共有しており、その理想に向かって同じ方向を見ている強い一体感が、組織全体に広がっていました。
  • TKIでは、若手弁護士であっても、重要な実務に関わり、自らの力で挑戦できる環境が整っていると感じました。まだ学生である自分の意見にも真剣に耳を傾けてくれたり、挑戦を後押ししてくれる空気がありました。キャリアの早い段階から実践的な経験が積めること、そしてその成長をチーム全体が支えてくれる文化は、他の事務所にはない魅力だと感じました。
  • 専門性やバックグラウンドの異なる弁護士が、それぞれの個性と価値観を尊重し合いながら働く姿は、”少数精鋭のプロフェッショナル集団”。それでいて、決して閉鎖的ではなく、温かく迎えてくれる懐の深さに、魅力を感じました。
  • TKIが掲げる「日本発のグローバルトップファームをつくる」というビジョンは、決して理想論ではなく、日々の業務や人材育成の中に根ざしていると実感しました。

TKIウィンタークラーク・プログラムは、今後のキャリア形成に役立つものになりましたか?

  • M&Aや契約実務を通じて、これまで学んできた法律知識がどのように使われ、どのような判断が求められるのかを体感したことにより、「今の自分に何が足りないか」「どのように成長していくべきか」が明確になりました。具体的には、簡潔で説得力ある表現力や、依頼者視点での発想など、今後のスキルアップに必要な要素が浮き彫りになったので、挑戦する力と継続的な学びが今後の自分に必要だと実感しました。
  • 国際的な視野の獲得と語学力の向上の必要性を感じました。プログラムを通じて、クロスボーダー案件の実務に触れたことで、「英語を“使える”だけでなく、交渉に活かす」ための語学力の必要性を体感しました。また、国際的な環境で働く先生方の姿を目の当たりにし、自身も世界を舞台に活躍したいという思いが一層強まりました。
  • 自分が本当に大切にしたい価値観や働き方を軸に事務所を選ぶことの重要性に気づきました。若手にも責任ある仕事が任され、挑戦できる環境に触れたことで、「どんな場所で、どんな仲間と、どんな成長をしていきたいか」という視点からキャリアを考えるようになりました。

プログラムの満足度

インターンシッププログラム
全体の満足度
非常に満足 86%、満足14%

メンター弁護士の
サポート満足度
非常に満足 93%、満足7%

ほかの方や後輩に本プログラムを
お勧めしたいですか?
非常に勧めたい 93%、勧めたい7%

おわりに ― 皆様のご応募をお待ちしております

夏のTKIインターンシップ・プログラム及び冬のTKIウィンタークラーク・プログラムは、単なるインターンシップではありません。法律実務に真正面から向き合い、国際法務の最前線に触れ、多様な価値観を持つ弁護士と率直に語り合う——そうした濃密な日程を通して、ご自身の未来を深く見つめる機会となるプログラムです。

温かくフラットな雰囲気の中で、プロフェッショナルたちのリアルな姿に触れ、キャリアについてじっくりと考える体験を、ぜひ味わっていただきたいと願っております。

当事務所の「日本発のグローバルトップファームをつくる」というミッションに共感してくださる皆様からのご応募を、心よりお待ちしております。