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2022.11.17

「TKI リモート・インハウスサービス」で法務機能を強化する!顧問契約や出向とも違う、新しい弁護士活用のカタチ

法律問題が複雑化・多様化する一方、法務人材は慢性的に不足している状況にあります。そこで、東京国際法律事務所(以下、TKI)では、2021年夏より「TKI リモート・インハウスサービス」をスタート。各クライアント企業のニーズに沿ってカスタマイズしたサービスを提供しています。TKI リモート・インハウスサービスの価値、従来の顧問契約や出向との違い、導入に適している企業について谷中直子弁護士荒井陽二郎弁護士坂巻謙太朗弁護士にお聞きしました。



谷中直子弁護士
2001年弁護士登録、2021年1月TKI入所

国内大手渉外事務所において約20年間の勤務経験を有し、M&A、国際取引、金融規制法、独禁法等を含む会社法務全般、労働案件、ファイナンスを広く扱っている。


荒井陽二郎弁護士
2015年弁護士登録、2020年2月TKI入所

大手日系金融機関での職務経験を経てTKIに入所。国内金融法務に加え、同英国法人にて、アンチマネーロンダリングなど(AML/CFT)の海外金融規制対応にも従事し、国内外の金融法務・コンプライアンス対応に関する幅広い経験を有する。


坂巻謙太朗弁護士
2015年弁護士登録、2021年11月TKI入所

企業法務を取り扱う歴史ある事務所において、約6年間にわたり、国内外のM&A、訴訟・紛争、競争法、金融商品取引法、当局対応などを含む幅広い会社法務全般に従事した経験を有する。国内大手建機メーカー法務部門において、リモート・インハウス業務に従事した経験も有している。

「TKI リモート・インハウスサービス」の特徴とメリットとは

TKI リモート・インハウスサービスの特徴について教えていただけますか。

谷中弁護士:顧問契約における外部の弁護士と異なり、社内弁護士や法律事務所からクライアント企業への出向に近い形でリーガルサービスを提供しています。決まった型があるわけではなく、クライアントのニーズを踏まえてカスタマイズしている点が特徴です。顧問契約と比べてより社内に入り込んだ役割を期待されており、法務部門の一員として他の部署の方々と直接やり取りをさせていただいたり、社内の会議に参加させていただいたりもします。法律的な問題に対応するだけでなく、各社のビジネスや社内事情を考慮したより実践的なアドバイスも可能です。

荒井弁護士:法務部門のメンバーの一人として、外部弁護士とのやり取りを行う場合もあります。社内では、顧問先などの外部の法律事務所に相談するまでに社内関係者間の調整や法的な論点の整理作業などが発生しますし、外部法律事務所への相談に至らない契約書のレビューや法律相談も多く存在していることを考えると、外部弁護士では手が届かないところまでサポートできる点が強みだと思っています。

坂巻弁護士:弁護士へ依頼する際に求められる法務部内での承認/決裁といったプロセスが必要ないのも、顧問弁護士への依頼と異なるポイントだと思います。

出向とはどう違うのでしょうか。


坂巻弁護士:クライアントのニーズや予算規模に応じて、業務内容や稼働時間を調整することができます。出向とは異なり、担当弁護士を複数名で構成することもあり、幅広いサービスの提供が可能なことも強みです。実際に私が経験したケースでは、TKIの米国弁護士もサービスの提供に関与しています。

荒井弁護士:通常の出向者とは異なり業務委託契約になるので、納期や稼働時間など、ニーズに沿った形で柔軟に設計できます。「今月は忙しくなりそうだから稼働日数や時間数を増やしてほしい」というご要望にも対応させていただけます。

谷中弁護士:出向の場合は、勤務する曜日や時間が指定されてしまいますが、企業としては「時間外だが出席してほしい会議がある」「急ぎでお願いしたい案件がある」というケースも多いと思います。TKI リモート・インハウスサービスは、基本となる月次の稼働時間を設定して、月額固定額報酬体系を提案しているので、フレキシブルな対応が可能です。

「リモート」ということですが、社内の方々とはどのようにコミュニケーションされるのでしょうか。


谷中弁護士:クライアントのご意向次第なのでケース・バイ・ケースですが、社内の法務部員と同様にメールアドレスを発行していただく場合もありますし、Teamsなどのチャットツールへのアクセス権をいただく場合もあります。通常の外部弁護士とのやり取りよりも迅速かつ効率的にコミュニケーションが取れるという点も、メリットの1つになるかと思います。リモートベースということで、全国どこでも対応可能なのもポイントです。

荒井弁護士:直接お会いしたほうがスムーズな場合や、来社を希望される場合にも柔軟に対応しています。

坂巻弁護士:特にサービス導入時には物理的に会う機会が私の場合は多かったですね。事業部の方とランチをすることもあります。

谷中弁護士:オンラインでの定例会を設けて、議題がなくても日頃疑問に思っていることなどを気軽に質問していただくケースもあります。もちろんチャットなどでタイムリーに相談していただくことも可能です。

「法務人材の不足」という大きな課題を解決する1つの手段

TKI リモート・インハウスサービスが生まれた背景について伺えますか。

坂巻弁護士:コロナ禍の影響で、リモートベースでのインハウスサービスのニーズがあるのではという仮説のもと、サービスのご案内を送ったところ、お問い合わせが複数件寄せられました。これまでほとんどお付き合いのなかった企業からのご連絡もありました。

実際にニーズが高まっていたということなのだと思います。企業は今、どのような課題を抱えているのでしょうか。

荒井弁護士:法務人材が不足していることが大きいと感じています。特に海外での勤務経験や留学経験のある人材がなかなか育てられない、採用できないという話は、多くの企業から聞いています。転職市場が活発なため、海外から帰ってきてもすぐに退職してしまうケースもあるようです。

国際案件は社内にノウハウが溜まっていない場合が多く、案件ごとに契約内容をよく検討していく必要があるので、国内案件に比べて対応が困難になります。そうした際にも、ぜひTKIの知見を活用していただければと思っています。

坂巻弁護士:契約書審査をはじめとする基本的な業務であっても、法務部に依頼される件数は年々増えています。一方で法曹の人気の低下や教育に要する時間・コストを考慮すると、企業が優秀な法務人材やインハウスロイヤーを新卒で採用し教育することは困難なのが現状です。

企業は足りない法務人材やインハウスロイヤーを法律事務所などからの出向で補おうとしますが、法律事務所としては、フルタイムで出向に出すことには抵抗がありますし、企業としても、フルタイムでの出向は業務量や予算感からすると過大なことが多いです。そういう意味では、あらかじめ決められた予算・稼働時間で作業を行うリモート・インハウスサービスは、お互いにとってやりやすい方法だと思います。法務人材が定着しないという課題に対しても、継続的にサービスを使うことができるリモート・インハウスサービスは、解決策の1つになりえるのではないでしょうか。

谷中弁護士:法務人材が退社したり転勤、留学などで海外へ行ったりした場合に、取り急ぎ穴埋めしてほしいというニーズもあります。また、人数の問題だけでなく、法務部員のスキルアップのため、社内の教育体制を強化してほしいというご要望も伺ったことがあります。

TKIでは研修などにも対応しているので、ご予算やニーズに合わせたプランのご提案が可能です。

「法務人材のサブスクリプション」として気軽に試してみることも可能

どのような企業がTKI リモート・インハウスサービスを導入するのに適しているのでしょうか。

谷中弁護士:ある程度の規模の会社で、外部弁護士への依頼と社内での対応の中間的なニーズがある場合は、特に重宝していただけるのではないでしょうか。

荒井弁護士:企業によって関与の仕方が変わってくるので、まずは小さく始めてみるという使い方もありだと思います。

TKI リモート・インハウスサービスを運営するうえで、感じられていることはありますか。

坂巻弁護士:会社の中に入りこみ、ビジネスの内容をより詳細に知ることができるので、外部から関わるよりも深みのあるサービスを提供できます。

荒井弁護士:営業の方と話す機会もありますし、外部弁護士として法務の方とやり取りしているだけでは入ってこないような情報も得ながら、よりニーズに沿ったアドバイスができるようになっていると感じています。

最後に、TKI リモート・インハウスサービスを検討されている方にメッセージをお願いします。

谷中弁護士:コロナ禍が収束したとしても、リモートでの業務は便利なものとして残っていくと考えています。リモートをベースにして柔軟にカスタマイズできる点が特徴ですので、「こんなことをお願いしても良いのだろうか」「業務が少なくても大丈夫だろうか」と躊躇される場合でも、まずはご相談ください。

坂巻弁護士:1-2か月のトライアルで導入していただく形でも結構ですので、「法務人材のサブスクリプション」というイメージで気軽に試していただけると良いと思います。

荒井弁護士:ビジネスは日々動いており、弁護士にすぐに対応してほしい場合もあると思いますが、パートタイムでの出向のような従来のサービスでは、そのニーズに応えることが難しいといえます。TKIとしてはいつでもコミュニケーションが取れて、対応の準備ができている状態にしておく枠組みを構築していきたいですね。

(文:周藤 瞳美、取材・編集:周藤 瞳美・松本 慎一郎、写真:岩田 伸久)