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2019.12.17

【コラム】海外子会社をうまく運営するPMIの秘訣・エッセンス

INSIGHT

【クロスボーダーM&AにおけるPMI戦略の実務】
海外子会社をうまく運営するPMIの秘訣・エッセンス

海外M&Aは難しい、失敗事例が多いと言われることもありますが、日本企業の中には海外M&Aを経営戦略の一つとして使いこなして成果を上げている企業も少なくありません。     
本コラムでは、海外M&AのPMI(Post Merger Integration)に焦点を当て、重要な検討事項とそのエッセンスについてお伝えします。

「間接統治」スタイルで考えるべきこと

M&Aには経営陣を含め対象会社の人材を買収する側面があります。買収後に経営陣及び従業員のやる気を引き出して事業計画以上の業績を達成できるかどうかはM&A、そしてPMIの実行体制の成否の分かれ目となることも少なくありません。

買収後自社から派遣するCEOにより本社が現地を「完全支配」する欧米企業のスタイルと異なり、日本企業によるM&Aでは、現地経営陣を買収後も続投(リテンション)させ、現地経営陣を介した「間接統治」スタイルが多く見られます。

「間接統治」スタイルでは、M&Aの所期の目的を達成するには、現地経営陣との関係の設計がより一層重要です。現地経営陣との関係の設計等人事面の設計に関し必要となる検討事項は案件ごとに異なり、法務領域に限らず多種多様の項目にわたりますが、一般的に検討を要する事項としては、例えば、以下の9項目が挙げられます。

 対象会社の現地経営陣を買収後もリテンションするか、それとも自社から派遣するか
 現地経営陣の能力・人物面の評価、バックグラウンド・チェック(特に新興国の場合)
 現地経営陣の現在の報酬パッケージの内容、買収時のボーナス(ゴールデンパラシュート等)の有無・内容
 買収後の現地経営陣の権限範囲、本社と現地の権限分配(現地に任せることと、本社が口を出すこと)
 現地経営陣の報酬、インセンティブ、退職金等の報酬パッケージ
 現地経営陣の目標設定(事業計画に連動した具体的目標)の策定
 業績評価の仕組みの設計(評価項目、月次、四半期、年次のレビュー)
 現地経営指標の「見える化」(現地の経営を現地経営陣頼りのブラックボックスにしない)
 任期途中で辞任した場合のプランBの策定(あらかじめ策定しておく)

上記のように、海外M&Aでは、買収後の現地の経営体制を含む人事面の課題・検討事項は多面的な対応・検討を要します。特に、重要な検討ポイントとしては、(a)そもそも現地経営陣をリテンションするか否か、(b)(リテンションするとしても)現地経営陣のうち誰をリテンションするかという選定の範囲、(c)現地経営陣の権限の枠と報酬制度をどのように関連づけるのかという問題です。

どのタイミングで、誰とどのように交渉を開始するのかというポイントは、M&A案件全体やPMIの進行に影響を与え、時にはグループ全体の事業戦略に影響を与える重要なポイントです。対象会社のマネジメントに「やっぱりやめる」と言われた等の場合であっても予想外の事態にならないよう先手を打って戦略を練っておくことが肝要です。

上記に関し、より一歩踏み込んだ私ども著作の記事を、無料でご提供できますので、どうぞご遠慮なく当事務所までご連絡ください。

(執筆担当者:岩崎


※本記事の内容は、一般的な情報提供であり、具体的な法的アドバイスではありません。
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