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2020.03.04

【分析】海外M&Aの成功に向けた「課題」とその対応策

INSIGHT

当事務所は、ビジネス・フォーラム事務局の協力を得て、昨年9月に「成長戦略としてのグローバルM&A~買収から売却まで日本企業の課題と勝機」と題するセミナーを共催し、参加企業(113社)からM&Aの課題に関するアンケート結果を得ました。

参加企業がM&Aの課題としてあげたのは、1. ポストM&A(PMI)、2. M&A戦略(目的、対象会社の選定など)、3. ディール実行(DD、バリュエーション)の順です。

 ポストM&A(PMI)の課題 41%
・シナジー創出のための組織体制、達成度合いの評価

・KPI設定と評価制度、報酬制度、ガバナンスと裁量権のバランス

・要所への人材不足

・カルチャーの融合に対する難しさ
 M&A戦略の課題 38%
・実質的なM&Aの経験が少なく、ノウハウを得たい

・トップが明確なビジョン・戦略を示さず、実行しない

・M&A戦略の社内の推進体制の構築が必要

・お互いのシナジーを明確に打ち出せるシナリオ作り
 ディール実行の課題 17%
・買収時の適正価格について会社判断としてのコンセンサス

・人材・DDの要点

・事業戦略策定のポイント

以上の統計から、ディール実行局面よりも、その前工程(M&A戦略作り)と後工程(PMI)に課題がある実態が浮かび上がります。

私どもの実務での経験では、M&A巧者といえる日本企業は前工程・後工程の課題について、以下の2点に意識的に取り組んでいるところが多いです。

  1. ディール実行段階から、買収後の組織体制やガバナンス、業績達成度合いの評価など、PMIの課題を見据えて取り組むこと
  2. ディール実行からPMIまで一通り経験することで得られるノウハウや育成した人材を、次のM&A戦略の策定や社内推進体制に活かしていくこと

今後も、日本企業の海外M&Aの成功に貢献できるよう、実務経験と実例研究からの学びをご提供して参りたいと思います。