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2020.06.23

【コラム】インドにおけるM&A、リストラクチャリングと出口(EXIT)戦略 <第3回>

INSIGHT

「インドにおけるM&A、リストラクチャリングと出口(EXIT)戦略」の最終回として、今回はインド法人の清算に加え、日本企業がインドへ投資する際に陥りがちな落とし穴の一つであるインド外資規制についてお届けします。

下記の情報は、インド法律事務所の DSK Legal より提供いただいています。

インドにおけるM&A、リストラクチャリングと
出口(EXIT)戦略 <第3回>

7. 会社の任意的清算・解散

インドの会社の清算・解散は、2016年破産法及び同法規則により規律されます。この場合、取締役会及び株主総会が、任意的清算及び清算人の選定に関する承認決議をする必要があります。選任され次第、清算人は会社の業務に関与し、清算のために必要な手続を実行します。清算人はNCLTに対し任意的清算に関する申請を提出し、NCLTは当該書類の精査後、当該会社の解散を承認します。NCLT以外にROCや清算委員会も手続に関与します。

8. 外国投資又は外国投資家への譲渡に適用されるForeign Exchange Management Act(FEMA)の規制のエッセンス

非居住者へ又は非居住者からの、株式、転換権付優先株、転換権付債権・新株予約権(エクイティ)の発行及び譲渡は、インド外貨為替管理法規則(Foreign Exchange Management Act Non-Debt Instruments Rule, 2019(以下「NDI 規則」))によって管理されています。NDI規則は、(非上場会社の)株式などの価格設定に関するガイドライン(以下「価格設定ガイドライン」)と、非居住者への会社の株式などの発行又は非居住者から非居住者への会社の株式などの譲渡を含む取引に関連して作成する必要がある届出書について規定しています。上場会社の株式などの価格設定ガイドラインは、SEBIの規制に準拠しています。NDI規則の価格設定ガイドラインでは、非居住者である株主や投資家が投資を行う際のEXIT価格は保証されておらず、一般的なEXIT価格でのEXITを求められるという原則に基づいています。

以下の表に、価格設定ガイドラインとNDI規則に基づく申請要件をまとめましたので、ご参考にしてください。

取引内容 価格設定ガイドライン 価格算定書の発行者 Formの提出 Form提出の義務
 インド法人による
 非居住者への株式
 などの発行
 国際的に認められた独立当事者間取引に
 関する評価法に基づく基準
 価格(以下「基準価格」)を下回ってはならない
 転換可能な株式などの場合は、転換価額を
 前もって決定し、基準価格を下回らないもの
 とする
 適用除外:インド国外に居住する者が、本国
 非送金原則(non-repatriation basis)で
 資本性金融商品に投資する場合
 勅許会計士、マーチャント
 バンカー(SEBI登録済みの
 者)、又はコストアカウン
 タント(原価会計士)の資格を
 有している者
 Form FC-GPR
 適用除外:本国非送金原則
 (non-repatriation basis)で
 投資している非居住インド人
 (Non-Resident Indians:
 NRI)及び/又は海外インド
 市民権保有者(Overseas
  Citizenship of India:OCI)
 への発行
 居住者である発行
 会社は株式などの
 発行日から30日以内
 に提出する必要が
 ある
 居住者から非居住者
 への株式などの譲渡
 基準価格を下回ってはならない
 適用除外:インド国外に居住する者が、本国
 非送金原則(non-repatriation basis)で
 資本性金融商品に投資する場合
 勅許会計士、マーチャント
 バンカー(SEBI登録済みの
 者)、又はコストアカウン
 タント(原価会計士)の資格を
 有している者
 Form FC-TRS
 適用除外:本国非送金原則
 (non-repatriation basis)で
 投資しているNRI及び/又は
 OCIへの譲渡
 居住者である売主が
 株式/持分の譲渡日
 又は対価の受領の日
 からいずれか早い方
 の日から60日以内に
 提出する必要がある
 非居住者から居住者
 への株式などの譲渡
 基準価格を超えてはならない
 適用除外:インド国外に居住する者が、本国
 非送金原則(non-repatriation basis)で
 資本性金融商品に投資する場合
 勅許会計士、マーチャント
 バンカー(SEBI登録済みの
 者)、又はコストアカウン
 タント(原価会計士)の資格を
 有している者
 Form FC-TRS
 適用除外:本国非送金原則
 (non-repatriation basis)で
 投資しているNRI及び/又は
 OCIからの譲渡
 居住者である買主が
 株式/持分の譲渡日
 又は対価の受領の日
 からいずれか早い方
 の日から60日以内に
 提出する必要がある
 非居住者から非居住
 者への株式などの
 譲渡
 該当なし  該当なし  該当なし  該当なし

第1回:インドでの非上場会社の株式取得、TOB(Takeover)による上場株式の取得、合併(Amalgamation/Merger)
第2回:インドでの資産譲渡・事業譲渡、合弁(Joint Venture)など

(執筆担当者:岩崎


※本記事の内容は、一般的な情報提供であり、具体的な法的アドバイスではありません。
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