【TKI Voice】TKI ジェネラル・カウンセル(GC)サービスの本格始動
TKI ジェネラル・カウンセル(GC)サービスの本格始動
経営レベルの法的課題の解決まで幅広く支援
東京国際法律事務所(TKI)は、顧客企業の法務実務に加えて、ビジネスニーズに寄り添いながらマネジメント層との連携や社内への法務機能の実装を含めた経営レベルの法的課題の解決まで幅広く支援する「TKIジェネラル・カウンセル(GC)サービス」を本格始動しました。ジェネラル・カウンセル(以下GC)は法務担当の経営幹部職であり、海外では一般的でしたが日本でも導入する企業が増えています。一方、法務と事業視点を兼ねそろえた人材の確保に悩んでいる企業は少なくありません。そうした課題を解消するために、実務経験の豊富なTKI所属弁護士が、原則としてリモートベースで、各企業の業務内容やご要望に応じて柔軟に対応し、対象企業のGCとしての機能を一部又は全面的に担い、高度な経営レベルの法的課題の解決に対処します。
海外では、近年、Fractional General Counselなどの名称で、企業に常勤の法務責任者(General Counsel)を置く代わりに、必要な時間だけ専門的な法律サービスを提供する弁護士を活用する企業が増えています。企業がフルタイムの法務責任者を雇用するよりも費用対効果の高い選択肢として注目されています。GCサービスはこの流れを受けたもので、特に、法務部門の立ち上げや、買収した企業・事業や中小企業で法務責任者がいない場合、特定のプロジェクトにおける専門的な法務サポートが必要な場合に有効です。
TKIリモート・インハウスサービスから
ジェネラル・カウンセル(GC)サービスへ
TKIでは2021年から、リモートツールを活用して企業の法務部における業務を提供する「TKIリモート・インハウスサービス」を展開しています。新型コロナウイルスの感染対策として在宅勤務が普及する中、TKI所属弁護士が企業の法務部員(インハウス)として、契約書のレビューや社内規定の策定、M&A(合併・買収)の後方支援といった日常業務を遂行するものです。法律事務所によるこうした本格的なリモート型支援は、当時としてはまだ珍しい取り組みでしたが、法務部内の人材不足に課題を感じていた企業を中心に、これまでに約30社ほど導入いただきました。業種も商社、製薬会社、メーカー、金融機関、コンサルティング会社、アパレル企業など多岐にわたります。
新たに提供を始めたGCサービスは、TKI所属弁護士がGCとして、法務の基本機能にとどまらない幅広い経営レベルの法的課題への助言や、意思決定事項の全社的な導入支援などにあたるのが特徴です。具体的には社内における法務部門の新規立ち上げ、海外子会社の法務問題への対応、外資系企業の統括拠点との連携やレポーティング、マネジメント又はグローバルサイドの意思決定にもとづいた各種施策の実装支援といった、契約業務支援にとどまらない高度かつ多様な業務に、ニーズに応じて柔軟に対処します。
ジェネラル・カウンセル(GC)の人材不足と課題
GC は企業の法務部門を統括する役職であり、経営幹部としての役割を担う場合は CLO(Chief Legal Officer) と呼ばれることもあります。欧米企業では一般的な経営幹部のポジションです。日本では法務部門を統括する 管理職や役員が GC に該当することがありますが、組織体制により役職や権限はさまざまです。近年は世界的に コンプライアンスやデータなど様々な分野で規制が強まり、その動向が企業の戦略策定や実行に大きな影響を与えるとの 認識が広がったことから、新たに GC や CLO 職を設けて法務部門の強化に取り組む日本企業が増えてきました。
しかし日本では経営レベルの法的課題の対応力と法務の両方で十分な実務経験を持つ人材が不足しており、社内で育成するには多くの時間がかかります。外部から適任者を採用するとしても人材の獲得競争が厳しく、報酬も高額になりがちなことから、多くの企業が適任者の確保に苦慮しています。
他方で外資系企業はGCがいることを前提にした組織体制となっていることから、日本で支社や新会社などを設置するにあたり、GCは必要不可欠な人材です。従来、本社や第三国でのGC経験者から起用する傾向がありましたが、最近では日本の弁護士資格者を求める傾向が高まっています。背景には日本ローカルの規制やコンプライアンスの動向に詳しく、実務経験に裏打ちされた適切な対処が可能な人材が日本拠点のGCとして適任であるとの経営判断があるとみられます。
GCサービスのアウトソース需要の高まり
TKIはリモート・インハウスサービスを通じて、多種多様な業種の企業に対して法務部員の業務をアウトソーシング形式で支援してきた実績があります。こうした背景から、これまでに外資系企業や買収先の企業を中心に、「GC業務についてもアウトソーシングできないか」との問い合わせが寄せられています。また、コマース領域やヘルスケア領域など、当事務所で豊富な知見がある弁護士が、当該領域に関連する企業向けにGCとしてすでに職務にあたるなど、複数の導入事例が出てきております。そこで、今般正式にGCサービスの提供を本格始動することとなりました。
GCサービスでは、新規の法務部門立ち上げなど、組織体制の整備や人材育成といった複数の業務が発生する場合は複数人のチームを編成して対処にあたります。原則リモートベースですが、社内の重要会議など重要な意思決定の場には対面にて対応可能です。リモートベースを基本とすることで、業務内容やニーズに応じて最適な弁護士を選定し、機動的かつ柔軟に関与させることが可能となります。
外資系企業の日本拠点において、GCに求められる重要な業務のひとつがグローバル本社又は統括拠点への日本事業のレポーティングです。海外と日本の法体系の違いを理解した上で、英語で適切に報告を上げられる日本の弁護士は限られている一方、TKIには英語で経営と法務の実務を対処できる弁護士が多数在籍しており、高度なレポーティング業務にも適切に対処します。
GCサービス導入のメリット
従来、法律事務所が企業に対して提供するリーガルサービスは顧問や出向が一般的でした。しかし顧問の場合は法務上の問題が起きていない期間も企業側に費用が発生するほか、弁護士が企業に出向する場合は1年程度か、長くても2年程度と時期が比較的短いため、社内の業務や人間関係に馴染んだところで任期満了となってしまい、知識・経験の継承がうまくゆかず、長期に及ぶ高度なプロジェクトや業務の遂行には適していませんでした。
(比較サービス) | 説明/課題 | GC サービス |
---|---|---|
顧問 | 必要な時にスポットで相談できる柔軟性がある一方、企業内部の状況や文脈の理解のための 事前整理や説明の負担が大きい。 | 通常業務と地続きで相談が可能。 |
出向 | 出向期間は 1–2 年単位が多く長期的な関与が可能で社内に溶け込みやすいが、 アサインできる人材の選択肢は限られやすく、企業側のニーズに合う適任者の確保が 難しいことや複数人の人選に対する柔軟性も低い。また実働時間以外のコストも企業側の負担となる。 | チームで対応するので長期的なクオリティの担保が可能。 |
社内での育成 | 経験豊富な人材が即座に対応できるとは限らず、長期的な時間とコストが必要。 育成中は十分な戦力として期待しづらい。 | 育成支援が可能。 |
外部からの採用 | 高度なスキルを持つ人材の採用は競争が激しく、報酬水準も高額になりやすい。 | 必要な範囲の月額固定で報酬を最適化できる。 |
GC サービス | 人材育成、海外本社・統轄拠点との連携など、クライアントの要望に合わせ、 日常の契約業務にとどまらない高度な業務を時間単位で柔軟にアウトソース可能である。 | 上記の課題を横断的に解決しつつ、継続的な知見の蓄積と品質の安定化が図れる。 |
GCサービスは企業の課題やニーズ、優先順位にあわせて対象人員や人数の選定、期間、勤務時間などについて柔軟なカスタマイズが可能です。導入企業は月額の固定報酬でコストを抑えながら最大限に利用いただけます。
おわりに
2019年に開設したTKIはクロスボーダー法務を中核とし、国内外でのM&A支援や国際紛争解決、インフラ・エネルギー、コンプライアンス・不正調査、ヘルスケア・ライフサイエンス等の専門性の高い分野に注力して実績を重ねてきました。これまで法律事務所はM&A、ファイナンス、労務など分野ごとの「プロダクト型」の法務サービス提供が一般的でしたが、TKIはリモート・インハウスサービスとジェネラル・カウンセル(GC)サービスの提供を通じて、企業の法務人材の不足という課題を解決し、経営レベルの法的課題を視野に、日常の法務問題などの「ピュアリーガル」にとどまらない企業が直面する幅広い課題解決を支援してまいります。
※本記事の内容は、一般的な情報提供であり、具体的な法的又は税務アドバイスではありません。
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